塔ノ岳大倉尾根のきつい登り。急階段でバテて、頂上で泣きました!?

急階段5箇所をどう攻めるかが大倉尾根克服のポイント。

写真はバス停大倉。小田急渋沢駅から満員バスの立ち席で揺られ揺られ、でも十分少々ほどで着きます。時刻表では到着まで15分となっていますが、日曜日7:02発のバスは7:14分に、つまり所要時間12分でした。

バカ尾根、塔ノ岳大倉尾根には急階段が五か所あります。

・見晴らし茶屋の上
・駒止茶屋の手前
・堀山の家の上
・花立山荘の手前
・山頂直下

急階段五か所では「ここが難所!」と思って登るとグー♪ですよ。気合が入ります。

出典https://www.onedayhik.com/index.htm

↑出典 「山と渓谷」2020年3月号 注:参考コースタイムは休憩時間を含めたものと思います。

急階段を楽に登るコツは・・・急がずにゆっくり登る。笑) いえ笑い事ではなく本当にそうなのです。階段をジグザグ登高する人もいます。逆に真っ直ぐ、直登の方が楽な人もいます。生来の歩き方の癖によりけりですので、慌てずゆっくり、自分が楽な方法を、自分に問いながら自分で学びます。

見晴らしの茶屋の上はそのまま名所・紅葉坂の登りに入ります。

大倉尾根急階段は、急階段の後に必ず傾斜のない真っ平らな散策道になります。

標高差1200メートル日帰りはたしかにきついです。久しぶりだと筋肉痛が一週間ほど続きます。

参考までに富士山登山の五合目からの標高差を。

吉田ルート 1450メートル
富士宮ルート1350メートル
須走ルート 1800メートル
御殿場ルート2300メートル

前夜五合目泊の須走ルート日帰りが好きです。おすすめです。

大倉尾根は北アルプス三大急登と同じくらい”きつい”

北アルプス三大急登の標高差。

・烏帽子岳ブナ立尾根烏帽子小屋まで約1500メートル。

・剱岳の早月尾根 2536メートル。

・燕岳の合戦尾根 1303メートル。

上高地から涸沢カールまでの標高差は1800メートルです。どれもこれも普通の人は一泊します。涸沢カールの紅葉、大好きです。剣岳早月尾根は冬に、雪洞掘って、先輩に叱咤されながら。

塔ノ岳大倉尾根ピストンは一泊してもよい行程を日帰りするのです。

この日、あえぎあえぎ、ふらつきながら大倉尾根(バカ尾根)を登るぼくを総白髪高年者の人が追い抜きながら声をかけてくれました。「ガンバぁ! この尾根でトレーニングしてたら、日本中どこの山でも平気になるからね」。なるほど。花立山荘(標高1300メートル)への急階段では大荷物を背負った白人青年に握りこぶしサインで励ましてもらいました。みなさんありがとうございます。ぼくはうれしくて半泣きでした。

一年前です。意識うつろ状態のぼくの耳に医師の声がかすかに聞こえてきます。「このまま、お亡くなりになるかもしれませ」。付添人への緊急手術許諾を得る説明です。ぼくは、あまりの痛さ苦しさに、どうなってもいいから、どうにかしてほしい・・と声にならない声でお願いしていました。急性イリウス(腸閉塞)です。直腹筋縦割り開腹です。手術成功でぼくは世にはばかっています。でも術後も痛みがとれずまともに歩けない。退院しても杖ついて30メートル足らず歩くだけで痛くてへたりこんでしまいます。

・・もう人生終わりにしようと思いました。助けてくれたのは〇〇警察署のTさんという刑事さんでした。ありがとうございます。また、遺書っぽい手紙を20年間会っていない身内に送り、生きていて、と励まされました。

そのぼくが・・ついにバカ尾根に登っているのです。「登山? 無理無理」と伝えられたぼくがバカにもならずバカ尾根をふらつきながらも登れた。これってバカのサンプルといえるかもしれませんが・・いやいや、うれしくてうれしくて。

塔ノ岳大倉尾根山頂で大声で泣き叫びたかった

塔ノ岳山頂1491mの標識をみたときは大泣きしたいくらいでした。ここでそれをすれば、みなさんにホントのバカあつかいされるので落涙はこらえたのです。

涙は喉にながしてこらえました。・・・なんだ、泣かなかったんだ・・・。心では、魂は、泣いていました。こういうときこそオトコなら微笑みを忘れてはいけない・・・と自撮りレンズに笑顔をみせた・・・つもりなのに、写っていたのはパーフェクトな泣き顔でした。恥ずかしいので誰にも見せません。

しかし、山はもう無理な体から、立ち直ったのです。諦めなかったら思いは実現するのだ!!! そうおもうと泣きそうに・・・。

登り3時間10分、下り3時間でした。

荷物がお弁当だけの超軽量もあり、思いのほか早く登れました。ガイドブック、マップでは標準タイム登り3時間30分です。山頂の「尊仏山荘」泊の宿泊山行の荷物なら3時間半以上から4時間はみておいたほうがいいと思います。登り2時間半、下り1時間半くらいで悠々な頃もありましたが、暑さへたばりで登り5時間ほどかかったこともあります。

ここをトレイルランナーは一時間少々で走りあがります。走るのと歩くのとではそれくらいの差はあると思いますが、行列箇所もあるここで走るのはなぜでしょうか。

おそらく、眺望の良い素敵な尾根を駆け抜けたいのです。

気持ちはわかります。しかしランナーにとっては歩行者は邪魔でしょうし、歩行者には追い抜いてゆくランナーに道を譲らなくてはならないので面倒なのです。種目の違うスポーツがおなじ場所で競技するような現状をなんとか解決できないでしょうかねぇ。おなじバカ同士ではあると思いますけれど・・・。

ランナーは時間とも戦っています。それはわかります。しかし一般登山者やハイカーは時短ななどにこだわらいほうが楽しめます。時短競争したいならトレランにかなうわけないのに、なぜか一般登山者やハイカーまでもが目を三角にしてドタドタ走り下りておられるのは、いかがなものかと思います。勝手に脚がうごくのはけっこう猫はいだらけですけれど。

時短など気にせずに、ゆっくり歩けばいいのです。山を楽しむ秘訣です。「山と高原」地図の標準タイム3時間30分に適宜の眺望休憩など入れて登り4時間から4時間半くらい。

時短を狙うならトレランを目指すべきでしょう。冬でもノースリーブ、短パンの格好で・・・じつは、体調完全カムバックのあかつきには、スロージョギングから始めて、トレイルランナーにチャレンジしようか、な、などと思ってもいます。うーん、それはないか、と現実に立ち戻りますが・・・やはり バカ ですね。

この大倉尾根を疲れずに登るコツは・・・あります。

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