薬物犯罪の国際比較「日本は世界1優秀な国」――沢尻エリカ槇原敬之は麻取の広報戦略

『日本は奇跡の国』『他に類を見ない国』と驚かれるほどに優秀な麻取の戦略

沢尻エリカさん、槇原敬之さんなどの逮捕、起訴で注目の覚醒剤(薬物)ですが、諸外国との比較ではどうなのかを調べて驚きました。

日本は突出して優秀です。

「『日本は奇跡の国』『薬物がこれだけ広がらない国は他に類を見ない』と言われます」と  厚生労働省の監視指導・麻薬対策課が自慢しています。

日本で違法薬物の代表は覚醒剤(アンフェタミンやメタンフェタミン)の生涯経験率は日本人0.5%。アメリカは10倍近い4.9%、イギリスは20倍の10.3%に上ります。

諸外国との比較では日本は薬物対策では制圧に成功したといえるレベルに達しています。

・アメリカは検挙人員総数約63万人で日本の約32倍。

・あへん・ヘロイン等で日本の370倍。

・大麻で日本の350倍。

・覚せい剤・LSDなど「危険な非麻薬系薬物」で日本の5倍。

・欧州3箇国の検挙人員では,あへん・ヘロイン等と大麻の検挙人員が多く,各国ともLSDの検挙人員が日本より著しく多い。

・ドイツ連邦共和国では、あへんが日本の約70倍,ヘロインが日本の約8倍。

出典:薬物犯罪の国際比較 – 犯罪白書 http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/21/nfm/n_21_2_1_2_1_3.html  1976年から1978年の3年間のデータです。

・・・アメリカは,あらゆる種類の危険な薬物が濫用されており,欧州3箇国においては,あへん・ヘロイン等と大麻が濫用されており,覚せい剤は,濫用薬物としての重要度においては付随的であるように見える。

・・・欧米では覚せい剤が疲労回復・活力刺激や肥満体のやせ薬又は抑うつ症の薬として医師の処方によって使用されてきた。

覚せい剤の注射による濫用は1960年代初期から始まった比較的新しい現象で,ヘロインなどの最も危険な薬物濫用さえ禁圧できない事情では,覚せい剤濫用に対する取締りは付随的なものにならざるを得ない。

・・・我が国は,昭和38年まで激増状況にあったヘロイン等の麻薬事犯を,法律改正と国民的運動によって禁圧することに成功した。

驚きますよね。

沢尻エリカさんだ、槇原敬之さんだ、田代まさしさんだ・・などなど次々有名芸能人著名人の逮捕、起訴が相次いでいます。日本も酷いことになってきたのかと思っていましたが、そうでもないようです。

起訴しても即、釈放では意味がない、茶番だ、もっと他に方法がないのか、厳罰にせよ、などなどの捜査当局への不平不満がSNSなどで書かれていますが、どっこい、日本の方法は官民一体で大成功していると言えます。

著名人、芸能人は一罰百戒のスケープゴート(生け贄・いけにえ)として薬物禁止の広報戦略の対象者にされているのです。そういう意味では沢尻エリカさん、槇原敬之さんなども犠牲者に近いかもしれませんが、・・・上手(うま)い作戦だと思います。

厚生省、麻取、あるいは警視庁などの官(国)が公的に呼びかけても殆どの人々の耳目には入らない。

でも芸能人逮捕となるとテレビ、一般新聞、スポーツ紙、週刊誌、写真誌、ラジオ、ネットニュースなどなどマスコミが総出で盛り上げ報道してくれます。これ、官民一体、ですよ。

NHKBS1ワールドウオッチング

2019年4月26日(金)掲載

NHKがアメリカ建国の地として知られるフィラデルフィア郊外で薬物対策への取材をしています。

フィラデルフィアはアメリカ独立宣言や憲法の制定などの地として有名です。独立記念館(インディペンデンスホール)や自由の鐘(リバティベル)など歴史的な遺産があり、 1979年にユネスコの世界遺産に指定されています。

以下、引用です。https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2019/04/0426.html

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路上では、数多くの薬物中毒者の姿を目にした。道ばたには、薬物を摂取するために使った注射器が散乱していた。またカメラには、密売人らしき人物が透明なビニールの袋を持ち、金銭のやりとりをしている姿も映し出された。

この地域の薬物のまん延は、想像以上に深刻だ。薬物中毒の人たちを支援する施設を取材したところ、薬物のために家族や仕事を失い、行き場を失った人たちが数多く訪れていた。その数は急増していて、取材で訪れたこの日も、200人ほどが詰めかけていた。

支援施設の責任者は、薬物中毒に陥る人には、社会的地位や所得が高かった人も少なくないと話す。「医者や弁護士、警察官もいる。薬物にむしばまれるとおかしくなってしまう。最低の状態になり、人生をダメにする」(支援施設責任者)。

中毒者に公的な施設が薬物を提供するという治療法も。

薬物中毒の恐ろしさは、日本では普通の一般人なら活字や映像などの報道を通してしかわからないが、欧米では場所によっては普通の日常風景として目視できるようです。

そればかりか、中毒者に公的な施設が薬物を提供するという治療法まであります。

2019年3月4日(月)

注目される薬物依存への“寛容な政策”https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2019/03/0304.html

ハームリダクションと言われています。

以下、引用です。

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ハームリダクション(Harm Reduction)とは、文字通り被害(Harm)を減少(Reduction)させることを意味します。

薬物依存症の人たちに対して、その使用を厳しく禁じるのではなく、公衆衛生や経済、そして、薬物使用による健康への悪影響の軽減を重視した政策です。

いち早くこの政策を導入している国のひとつが、ポルトガルです。

2001年に、少量の違法薬物の所持や使用については刑罰を与えないとし、薬物使用者への福祉サービスや、注射器の代わりに経口摂取できる薬物を処方するといった対応を始めました。

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こちらの2人は1日3回、ここで注射します。
ヘロインを探し、買う苦労がなくなりました。

びっくりです。驚きです。

先進諸国で行われているこのハームリダクション(Harm Reduction)を日本でも取り入れたらどうか、という提案も一部医師や報道機関でされていますが、どうでしょうか。現地取材で欧米先進国の“人権への意識の高さ”を賛嘆したりされていますが・・・。

ぼく個人的には、とんでもない!、と一般人的反応しかできません。何が先進国だ、人権意識だとお・・・。薬物制圧では日本のほうが先進国ではないのか。

中毒者の人権優先や意見は、「木を見て森を見ず」というのです。木・・薬物中毒者一人ひとりの人権、森・・社会全体・・です。ま、もちろん、木一本一本への関心や対策は不可欠ですが、日本を欧米先進国(?)のような薬物蔓延国にしてはいけませんよね。

もちろん欧米に見習うべきは数多(あまた)ありますが・・・薬物中毒対策では日本を見習ってもらうようお奨めください。

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