安倍首相VS厚労省(専門家会議含む)との戦い。アビガン5月中認可

感染爆発は起こらず、第一波流行は抑制できたと語った安倍首相。

緊急事態宣言延長の会見中継を見ながら思いました。安倍首相は並んで座っている尾身茂専門家会議副座長とも戦っているのではないか、と。二人の間には決められた以上のソーシャルディスタンス(社会的距離)があります。ノーマスクの安倍首相の横でマスク着用の尾身氏がことさらマスクの効用を説く。可視化できない火花が散っていました。

思い過ごしではありません。

2020年5月4日の会見内容から安倍首相の言葉をピックアップします。

・一時は1日当たり700名近くまで増加をした全国の感染者数は、足下では200名程度、3分の1まで減少しました。

・一人の感染者がどれぐらいの数の人にうつすかを示す実効再生産数の値も、直近の値も1を下回っています。

欧米のような感染爆発が起こるのではないか。そうした悲観的な予想もありました。しかし、国民の皆さんの行動は、私たちの未来を確実に変えつつあります。

中国経由の第一波の流行について押さえ込むことができたと推測されます。

・ダイヤモンド・プリンセス号からのウイルスも、様々な対策の結果、国内では終息した。

欧米経由の第二波についても感染者の増加はピークアウトし、終息への道を進んでいます。

アビガンについても、既に3,000例近い投与が行われ、臨床試験が着実に進んでいます。こうしたデータも踏まえながら、有効性が確認されれば、医師の処方の下、使えるよう薬事承認をしていきたい。今月中の承認を目指したい。

安倍首相は冒頭で、1日あたり約700人だった新感染者数が約200人と3分の1程度に減少し、患者1人から何人に感染するかの「実効再生産数」も1を下回った。欧米のような感染爆発も起こっておらず、感染拡大を回避し、減少へと転じた、と述べました。

「中国経由の第1波は抑え込めた」「欧米経由の第2波も感染者の増加はピークアウトし、収束への道を進んでいる」とも述べたのです。

専門家会議はピークアウトはまだ判断できないと否定。

一方、専門家会議座長の脇田隆字・国立感染症研究所長がピークアウトに関しては事前に、

写真:脇田隆字座長(手前)と尾身茂副座長

・ピークアウトしたかどうかまだ判断できない。と否定していました。(4月30日会見)

裏面では安倍首相と厚労省との激しい戦いが行われている。

つまり、安倍首相は5月4日会見冒頭で、専門家会議の意向に反して事実を次々と述べたのです。専門家会議の意向は・・ここで気を緩められたら困る・・という精神論であって科学的医学的なエビデンス(証拠数字)ではありません。

それだけではありません。

じつは裏面では安倍首相と厚労省との激しい戦いが行われているのです。

専門家会議の所管官庁は厚労省です。脇田座長は厚生労働省の施設等機関・国立感染症研究所所長です。尾身副座長は地域医療機能推進機構理事長で厚生技官(官僚)を経ています。

安倍首相と厚労省との戦いは因縁浅からずものがあります。

厚労省は、

第一次安倍政権を「消えた年金」問題によって葬り去った官庁です。

(青山 繁晴参議院議員。作家)

写真:青山繁晴氏

年金記録問題とは、第1次安倍内閣の2007年2月16日以降、国会の社会保険庁改革関連法案の審議中に社会保険庁のオンライン化したデータに誤りや不備が多いことが明らかになり、国会やマスコミに社会保険庁の年金記録のずさんな管理を叩かれ、政権与党への批判が集中し、参院選、衆院選で自民公明の与党が大敗し、民主党政権が誕生した。

いわゆる社会保険庁の「自爆テロ」事件です。

「社保庁改革案があったため、解体されて非公務員化されれば、いずれ隠していた年金記録問題が明るみに出てしまうので、それならばということで、改革案潰し(自民党潰し)のために社保庁が『自爆テロ』として年金記録問題の情報をリークした」(当時の自民党幹事長中川秀直氏の発言)。社会保険庁は、かつて存在した日本の中央官庁(厚生労働省の外局)です。

上述、青山繁晴氏はブログ(青山繁晴の道すがらエッセイ)で「アビガン」と厚労省について、次のように述べています。

アビガンの認可をめぐって  ( まだ油断は禁物という趣旨のひとことを書き加えました )

▼武漢熱への著効が期待される国産の治療薬、アビガンが認可されず、アメリカ産のレムデシベルがアビガンに比べて総合評価が劣勢にもかかわらず先行認可されそうだというのは、どうみても奇怪そのものの事態です。
そこで指導者と直に議論をしてきました。

▼まず結論から言うと、情況は改善されつつあり、アビガンが5月中に認可される可能性が出てきました。

★以下の経過は、あくまで青山繁晴個人の解釈による経過です。
ぼくだけの責任において、国民に情報を開示します。

さらに、

このアビガンが認可されない問題について、安倍総理は加藤厚労大臣と連携しつつ、みずから直接、厚労省に厳しく問い続けました。
厚労省は何を問われ、何を指示されても「分かりました」と持ち帰るだけで、何も対応が変わりません。
そこで安倍総理が加藤厚労大臣と共に手を尽くして真相を調べたところ、厚労省の薬事部門が、アビガンの製造元である富士フイルムと、富士フイルムが買収した富山化学、すなわち苦闘の末にアビガンを初めて実用化にこぎつけた富山県の地元メーカーと関係が薄いことが重大な背景となっていることが分かりました。
早い話が厚労省の本音は「富山化学なんて天下りもしていないし」ということにあるという事実が浮かび上がってきたのです。
これを内閣総理大臣が抉 ( えぐ ) り出したのは、客観的にみて、一国の最高指導者による内部改革の試みと言えます。

不肖ぼくは、武漢熱を契機に、厚労省が「薬事マフィア」と「医事マフィア」の利益連合体に成り果てていることをあらためて深く確認しました。

・・・

祖国の主権者の健康を預かるという使命感、愛国心が決定的に欠落していることに気づかざるを得ませんでした。 それを安倍総理も含めて政権中枢に問題提起してきました。
日本は、内務省がGHQに解体された敗戦当時の体制、すなわち「四五年体制」 ( 戦う論壇誌・月刊Hanadaに連載している『澄哲録片片』において命名 ) をいまだに温存しています。
そのために内務省から分割された旧厚生省の時代から、薬事マフィアと医事マフィアの連合に変質したままになっているのです。
これは、ぼく自身を含めた自由民主党に最大の責任があります。
その根本命題の中にこそ、アビガンをめぐる奇怪な問題もあることを、ひとりの自由民主党議員として水面下で政権と議論してきました。

安倍総理は、この既得権益の塊となっている厚労省に対して、オールドメディアの報道ぶりとは全く違う指導力を発揮し、アビガンの5月中の認可へ向けてようやく近づきつつあります。
総理ご自身の判断と行動です。
安倍総理とは、不肖ぼくもいつも申しあげるとおり、さまざまな意見の違いがあります。
しかしこうした戦いにおいて、まさしく国士です。
アビガンをめぐる暗闘は、ほんとうはそれを証明しています。
オールドメディアはそれに気づくことが無いか、あるいは気づいても気に入らないから無視するかです。

以上が、あくまで個人的見解による現在までの経緯です。
ここに記すことにおいて、どなたとも一切、事前協議をしていません。
したがって、責任はすべてぼくにあります。

▼もはや表に出すべきだと考えた部分だけ、記しました。
あとは世論の後押しです。
まだまだ油断はできません。薬事マフィア、医事マフィアの巨大な既得権益の抵抗は強欲にして強力ですから。
みなさん、さまざまな意見・異見はお互いに尊重しつつ、違いを超えて連帯しませんか。

★日本産のアビガンの活用は、ワクチンの開発と並んで、中国産の未曾有の危機、武漢熱から世界を救うことに直結する希望のひとつです。
収束、そして終息の最大の鍵のひとつです。

思い起こすことがあります。

ぼくらの日本においては、かつて古墳時代にもあった皇位継承の危機を、継体天皇を生み出した北陸地方が救いました。
同じ北陸地方 ( 継体天皇は旧越前国、旧富山化学は富山市 ) が日本の希望をつくるのです。

厚労省も悪者にするのではなく、内部の良心派、国士と連携し、厚労省の内側から変わっていくことを励ますことこそ、日本の王道であり、ぼくら日本国民らしい希望の道です。

青山繁晴氏は複雑な問題を作家らしい筆致で述べています。内部告発ふうでありながら内部(厚労省)の良心派と連携し、希望の道を開いて行きたい、と。

アビガンー富山市。継体天皇、同じ北陸。興味ひく記述です。ありがとうございます。

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