円安で物価は上がる。困った、困った、電気もガスも石油も値上がり、大変だ大変だ、岸田内閣はノータリンじゃあ~などの不平不満が世間に横溢しているように感じます。
しかし、ちょっとお待ち、世論の声などは無視してください。現実、本当の実際は、どうでしょうか?!
円安で最も儲けているのは日本政府
・円安のメリットは輸出企業が「ボロ儲け」できること。トヨタは昨年度。5兆円の営業利益を出しました。これは日本企業初のことです。そして、円安で最も儲けているのは日本政府です。なぜなら、円安によって潤った企業からの税収が増えるからです。円安による税収増はおおよそ20兆円程度。
・加えて、日本政府は外貨準備として、1兆5千億ドル(約200兆円)近くの米ドルを保有しており、円安になれば自動的に資産が増えます。
・・WiLL7月号93P・・藤井聡京都大学大学院教授
そうかぁ、それは知らなかった、
それほど政府が儲かっているなら、
儲かったお金を物価コントールに使え・・と藤井教授はおっしゃいます。
さもありなん(もっともなこと)です。
教授の説を追加します。
政府はプライスコントロールを実施すべき
政府は「プライスコントロール」を実施すべきです。プライスコントロールとは、その名の通り、価格を調節すること、例えば、消費税やガソリン税を減税することで価格を調整する。
また減税という手段だけではなく、円安の影響をもろに受けている小麦や石油を政府が一括で購入し、一定水準以下の値段で国内マーケットに払い下げることを通じて価格を調整することで物価高を抑えることができます。実際政府は、小麦に関してこの仕組みで価格を価格を安定させているのですから、その仕組の下、十分な政府資金を使うことで価格を引き下げれば良いのです。
円安による輸入物価が上昇していることが問題ですが、このプライスコントロールで対策できます。そのための原資として政府は円安による税収増や国債を新たに発行すれば良いのですが、残念ながら緊縮財政の優等生”岸田君”は、それを大規模に実施するそぶりを全く見せていません。
(WiLL7月号93,94P)
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藤井教授は理論の人学究の人ではなく安倍晋三内閣では内閣官房参与という重要職を担いました。その当時を次のように述懐されています。
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私が安倍晋三さんに政策を提言するようになったのは、古くからの知り合いである自民党議員の西田昌司さんに、当時、一議員に過ぎなかった安倍さんを紹介されたことがきっかけでした。そのとき私は『公共事業が日本を救う』を出版し、国会議員に解説して回っていました。
当時、自民党内で総裁選に打ち克ち、民主党から政権を奪取し、第2次安倍内閣を構想していた安倍さんに対して、「デフレ脱却」と「国土強靭化」を主張することは、総裁選の対立候補者との大いなる「対立軸」を作り出し、有利に働くと同時に、衆議院選挙においても民主党との対立軸を鮮明化させ、同じく有利に働くに違いない、という主旨で説明しました。
そうしたところ、安倍さんはこの主張に大いに賛同されたのです。そして、総裁選、そしてその後の総選挙でも、私の主張である「デフレ脱却論」「防災論」「インフラ政策論」を大いに主張いただくことになったのです。
そしてそれは、安倍内閣誕生時に「アベノミクス」と「国土強靱化」という名称の政策へと昇華していったわけで、それをサポートするための官邸メンバーとして、私も内閣官房参与を拝命することになったわけです。
ちなみに、私の提言が聞き入れられたのは単なる偶然の話ではありません。再び総理に返り咲くための総裁選に打って出ようとしていた安倍さんはいま、何を求めているのかをイメージしたうえで、安倍さんに理解してもらいやすいように論理を構成したことが、こうした正論を通すにあたって大いに影響したものと思います。
(私が安倍元総理に「耳が痛い」話でも進言できた訳・https://toyokeizai.net/articles/-/614119?page=2)
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まとめ
藤井聡教授の「日本政府は円安で25兆円の増収」とはびっくりですが、それを有効に活用できない岸田内閣は、ノータリン笑笑・・いえ、笑ってすませない問題ですね。
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