新型コロナウイルスは治療薬「アビガン」で制圧の可能性がでてきた!
新型コロナウイルスCOVID-19も抗ウイルス薬により制圧できる可能性が出てきたのです。え? 嘘!ではありません。日本の製薬会社・富山化学の「アビガン」です。うれしいじゃないですか。富山化学は富士フイルム系で社名は「富士フイルム富山化学工業」です。
3月28日午後6時からの安倍首相緊急コロナ会見で首相が紹介していた治療薬「アビガン」です。
会見前日27日の『Web医事新報』(2020・3・27)に「アビガン」の詳細があります。3月18日発行のEngineering誌上でもすでに発表されていました。
・・・インフルエンザ治療薬ファビピラビルが有力な治療薬として、最近、報告された。詳細な内容が3月18日のEngineering誌上で発表された。この雑誌はElsevierの発行するimpact factorが4以上ある一流誌である。・・・
インフルエンザ治療薬ファビピラビルは「アビガン」のことです。
「Engineering」は一般財団法人エンジニアリング協会発行の専門家向け雑誌。
・・・インフルエンザ治療薬ファビピラビル(アビガン®)が有効。
・・・世界のインフルエンザ専門家の間では、「COVID-19は、スペインかぜ以来の100年振りの人類の危機」と言われているが、まさにインフルエンザ治療薬ファビピラビルが有力な治療薬として、最近、報告された。詳細な内容が3月18日のEngineering誌上で発表された。この雑誌はElsevierの発行するimpact factorが4以上ある一流誌である。COVID-19も抗ウイルス薬により制圧できる可能性が出てきた。
執筆者は菅谷憲夫(すがや のりお)慶應義塾大学医学部客員教授・神奈川県警友会けいゆう病院感染制御センターセンター長です。
プロフィールは、
[所属学会]日本感染症学会(評議員)、日本小児感染症学会、日本ウイルス学会 日本小児科学会、国際インフルエンザ学会isirv(理事)、国際抗ウイルス薬学会AVG(理事)
[取得資格]医学博士 慶應義塾大学医学部客員教授(小児科)、日本小児科学会専門医 日本感染症学会感染症専門医 日本感染症学会指導医、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)、WHO新型インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員、日本感染症学会新型インフルエンザ対策委員
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他の治療薬との比較でも「アビガン」が抜きん出ているようです。
Engineering誌の論文
本論文は、COVID-19入院患者を対象としたnon-randomized, open-label, controlled trialである。ファビピラビル群とロピナビル・リトナビル群で、臨床効果を比較した。
発症7日以内の比較的早期の軽症患者を対象としている(Cai Q, et :Engineering,2020)。
ファビピラビル群(N=35)では、1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から14日目は1回600mgを1日2回、経口投与した。投与方法は、日本でのインフルエンザ治療と同様であるが、投与期間は、インフルエンザの5日間に比して、大幅に長く14日間である。ロピナビル・リトナビル群(N=45)では、1回400mg・100mg(2錠)を1日2回、14日間投与した。両群ともに、インターフェロン-αの吸入も併用した。
その結果、ウイルス消失時間は、ファビピラビル群は4日(2.5~9日)、ロピナビル・リトナビル群は11日(8~13日)で、ファビピラビル治療により、上気道のウイルス陽性期間は有意に短縮した(P<0.001)。胸部CT所見改善は、ファビピラビル群は91.4%、ロピナビル・リトナビル群は62.2%で、やはり有意差が見られた(P=0.004)。副作用もファビピラビル群が、ロピナビル・リトナビル群に比べて少なかった(11.4% vs 55.6%, P<0.001)。本試験は、ファビピラビルの早期投与の臨床効果とともに、明らかな抗ウイルス作用を証明していることに価値がある。
武漢からの論文
中国・武漢からもう1編、COVID-19入院患者を対象としたnon-randomized, open- label, controlled trialが発表された。本論文は査読前に公開されているので、参考資料である。ファビピラビルとロシアで開発された抗インフルエンザ薬アルビドールで、投薬7日目での症状回復率を比較した。236例のCOVID-19患者のうち、ファビピラビル群が116例、アルビドール群が120例で、投与開始7日後の症状回復率はファビピラビル群が71.4%、アルビドール群が55.9%であった(P=0.0199)。解熱までの平均日数が、ファビピラビル群では2.5日、アルビドール群が4.2日であり、有意差があった。咳嗽の回復期間も、ファビピラビル群が有意に短縮した。またファビピラビル群では、血中の尿酸値の上昇が認められたが、この問題点はファビピラビルの添付文書にも記載されている(Chen C, et al:medRxiV. 2020.)。
日本でのファビピラビル(アビガン®)の位置付け
ファビピラビルは富山化学が抗インフルエンザ薬として開発したRNAポリメラーゼ阻害薬である。鳥インフルエンザH7N9ウイルス出現により、その重要性が注目され、2014年3月に日本で製造販売承認を取得したが、動物実験で催奇形性という重大な副作用があり、季節性インフルエンザでの使用はできず、新型インフルエンザが流行し、他の抗ウイルス薬が無効と国が判断した場合に、製造が許可され使用できることになっている。・・・
つまり、「アビガン」の副作用・・動物実験で催奇形性・・があり、つまり奇形児誕生のおそれから季節性インフルエンザには使用許可が出ませんでした。
使用、投与するときは男女間の濃密交接は、投与期間および投与終了後7日間は完全避妊を行うこと。また妊婦には使用禁止となっています。
しかし、
ファビピラビル(アビガン®)、催奇形性以外の副作用は少ない
ファビピラビルは、副作用が強いから使用すべきではないと一般に考えられているが、催奇形性を除けば重大な副作用はない。慎重投与として、痛風または痛風の既往歴のある患者および高尿酸血症のある患者では、血中尿酸値が上昇し、症状悪化のおそれはある。一方、Engineering誌の論文では、インフルエンザの約2倍以上の期間、治療が実施されたが、明らかな副作用はなかった。
まとめ
以上、「アビガン」に関する情報を調べてみました。
何かホッとする情報ですね。
安倍首相は緊急会見で、
・・・希望の火を灯す存在でありたい・・・とおしゃていました。そうです、私たち一人一人がそういう存在でありたいと思います。