写真:加藤シゲアキ。
ラストで(最後で)ぐぐぐっと面白くなる!小説ですよ。
ジャニーズ事務所のアイドルグループNEWSのメンバー、加藤シゲアキさんさん(33)の新作小説『オルタネート』が164回直木賞の候補作にノミネートされました。加藤シゲアキさんは芸能活動と併行しながら平成24年に作家デビューしています。今回、6作目の単行本化小説です。
タイトルの『オルタネート』は小説中の高校生限定のマッチング(紹介・異性同性)サイトの名称です。直訳で、交流、交互。ミッションスクールを舞台に描く高校生男女いりまじりの青春物語ですね。
直木賞ノミネート『作家・加藤シゲアキ』学歴著作経歴。
加藤シゲアキ(かとう しげあき)
本名 加藤成亮
生年月日 1987年7月11日(33歳)
出生地 広島県広島市
出身地 大阪府豊中市(4歳~10歳)
身長 175 cm
血液型 A型
職業 歌手・俳優・タレント・小説家
ジャンル テレビドラマ・映画・舞台・バラエティ番組・情報番組
活動期間 1999年 –
事務所 ジャニーズ事務所
学歴
青山学院中等部
青山学院高等部
青山学院大学法学部
*青学はミッションスクール。
小説作品(単行本)
『ピンクとグレー』(2012年1月28日 角川書店・ 2014年2月25日 角川文庫 )映画化
『閃光スクランブル』(2013年11月25日 角川書店 ・ 2015年11月25日 角川文庫 )
『Burn. ―バーン―』(2014年3月21日 角川書店・2017年7月25日 角川文庫 )
『傘をもたない蟻たちは』(2015年6月1日 角川書店 ・2018年6月15日 角川文庫 )
『チュベローズで待ってる AGE22・AGE32』(2017年12月12日 扶桑社 )
『オルタネート』(2020年11月19日 新潮社)
その他の作品
染色 – 初出:角川書店『小説 野性時代』2014年10月号
Undress – 初出:扶桑社『週刊SPA!』2014年9月16日・9月23日合併号 – 10月28日号、連載全5回(「アンドレス」改題)
恋愛小説(仮) – 初出:角川書店『ダ・ヴィンチ』2014年12月号
イガヌの雨 – 初出:角川書店『シュシュアリス』vol.5
インターセプト – 初出:角川書店『小説 野性時代』2015年3月号
おれさまのいうとおり (文庫版のみの収録) – 初出:角川書店『小説 野性時代』2016年8月号
「時をかける少女」のオマージュ 『おれさまの言う通り』
にべもなく、よるべもなく – 書き下ろし『傘をもたたない蟻たちは』収録
小説『オルタネート』のあらすじ&感想。退屈?後半盛り上がり!
『オルタネート』は「小説新潮」2020年1月号から9月号にて連載された作品です。
高校生限定でアカウント登録に学生証掲示必須のマッチングアプリ“オルタネート”を巡る高校生たちの青春物語です。中学~大学一貫のミッションスクールの高等部「円明学園高校」での調理部長がヒロインです。料理と音楽にまつわる笑いも涙もある学園ものです。
全国高校対抗料理大会に情熱をかける調理部長・蓉(いるる)、調理部に素材を提供するホモ人気の園芸部長・ダイキ、「オルタネート」の遺伝子検査分析に自分の恋愛を任せる・凪津(なづ)、大阪から東京に転校した小学生ギタリストだった・豊(ゆたか)を探しに来た大阪弁まるだしのドラマー、高校中退・尚志(なおし)。
単行本の帯には、こうあります。
・・・・・・・・・・
私は、私を 育てていく。
誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描き切る。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。
・・・・・・・・・・・
じつは個人的感想にすぎませんが、勢い込んで読み始めたのですが、が、が、あ~これは私向きではないなぁと感じました。まず、料理が不得手で卵焼きもまんぞくにできない私ですから、、
根セロリと梨のサラダ、芽キャベツとカリフラワーのグラタン、さんまと四角豆のオイルパスタ、ラムチョップなど・・ドリンクは三種類あって、ガラスのピッチャーに入っていた。それぞれアイスマンゴーティー、オレンジジュース、プラムのソーダだった。 ウイークエンドシトロン?。。(173P)
、、おいしそう、、という思いの前に意味がわからず???。う~ん、どうしよう、読むの止めようかと思いました。本気で。でも、
沈黙こそ相手の本質なのだ(148P)新しいものは、自分を今いるところから連れていってくれる可能性があるじゃないですか(150P)言語こそ、最大の音楽である(157P)
など時折現れることばに引かれて耐えて読みましたら、ら、ら、250Pあたりの殴り合い蹴り合いの出血乱闘シーン以後は、む、む、む、と面白くなりました。全380Pですが、残り80Pほどはもう夢中です。盛り上がりようが半端なかったのです。読み手の予想をみごとに裏切ってゆく展開に引き込まれました。プロの作家ですね。芸能人の余技ではありません。読者をひきずりこむ腕力がすごいと思いました。
未読の方、途中で止まった方、
最後、ラストまで、お読みくださいね。
直木賞「候補」だけで取材陣殺到の大騒ぎに批判も?
直木賞にノミネートされただけで、もう受賞のような騒ぎです。批判もおきます。ネット上では・・・、
レコード大賞と同じで
あまりに忖度じみてくると
賞の価値自体が下がるよね
・
これがジャニーズに対する忖度ではなく、純粋に選出された事を祈ります。
・
いま、めざましテレビでやってたんだけど、名前が出たのは直木賞候補のコイツと芥川賞候補の尾崎世界観、このふたりだけ
他の候補は名前を言ってもらえない、テロップやボードに書いてすらもらえない
ますます賞の重みがなくなってくるというw
・
前は直木賞・芥川賞って注目していたけど、なんだかな、、最近はあまり魅力を感じない。裏で何かしらの力が働いていそうだし。
モンドセレクション最高金賞と同じくらい謎の賞。
・
ピース又吉大先生の文壇デビュー作品『火花』掲載の『文學界』(文藝春秋社)が重版を重ね、単行本も35万部の大ヒットをした芸能人作家作品の旨味が忘れられない文藝春秋社が仕掛ける二匹目のどじょう。
直木賞、芥川賞はともに文藝春秋社内に設置された日本文学振興会が選考。文学ショーレースに見せかけた販売促進活動。
・
テレビのニュースになる事は良いんだけど、他の候補作者の人達が全然出て来ないんだよね、テレビとしては有名人出したほうが分かりやすくて出すんだろうが、他にも候補作品が有るんだからちゃんと出してほしいな
どんな作品が候補に上がってるかを知りたい
・
話題性がある本、受賞すると売れる本が選ばれる。だから必然的に芸能人が選ばれやすい。これは選考する人が認めている話。本を売るためにやっているだけでこんな賞に権威なんてない。
う~ん、なるほど、ですが、どうでしょうか。
書店員さんに励まされ、書く覚悟ができたと本人。
Yahooニュースに掲載の「音楽ナタリー」(音楽ニュースサイト)が本人(加藤シゲアキさん)の弁を、このように伝えています。
直木賞の候補作品に選出されたと知ったときの心境は?
「作家にとって憧れの賞ですので、もちろんいつかは候補に選ばれたいと思っていましたが、聞いたときは本当にびっくりしました」「厳密に言うと賞が欲しいということではなくて。新人賞を獲ってから作家になるというのが通例にも関わらず、自分はジャニーズ事務所に所属しているから、タレントだから、『ピンクとグレー』(2012年1月に刊行された加藤の処女小説)を出させていただきました。そのことに対して引け目というか、文学界、小説界にお邪魔している感覚や作家として名乗ることへの迷いがあったんです。でも今回直木賞の候補に選ばれたことで、多少は作家として認めていただけたのかなと思っています」
・
「ここまで続けてこられたのは、ファンの方をはじめたくさんの方々の支えがあったからです。『ピンクとグレー』を出して初めて書店回りをしたときに、書店員の方に『作家さんが書き続けないと応援し続けられない。応援し続けたいから書き続けてください』と言われたのが印象的で。本気で小説を書くという覚悟は伝えたいなと思っているので、書き続けることが自分を受け入れてくれた小説界に対しての恩返しかなと思いますし、続けているうちにすっかり小説を書くことがライフワークになっていますね」
・
「本を読む楽しさを実感していただけたらという気持ちが強くあって、そこを意識しました。やっぱり面白くないと読みたくないと思いますので、とにかく楽しく本を読んで、読む前とあとで見える景色が少し変わって見える。そういった作品になるように心がけて書きました」
・
まとめ
本を読む楽しさを実感していただけたら・・・いわゆる読者目線の意識ですね。書きたいものを書く・・・から一歩踏み出したプロ意識ですね。芥川賞と直木賞の根本的なちがいです。直木賞は読者目線をつかえない作家には無理です。基本、エンターテイメントです。だから読者数も圧倒的に多いのですね。
作家・加藤シゲアキさんの次回作、楽しみです。