「岩の奧から子犬の声」110番で警察出動、鳴き声の意外な正体は
「岩の向こうから犬の鳴き声が聞こえる。閉じ込められているのではないか」-。福岡県豊前市挾間の千手観音堂にいた20代女性から110番があった。 観音堂には岩の洞窟があり、岩壁から湧き水が滴る隠れた名所。豊前署によると、女性は市外から水くみに訪れ、岩の隙間から響く「ワン」「キャン」という子犬のような鳴き声を心配した。駆け付けた署員2人が確認したが、鳴き声はしても犬の姿はない。
そこに通りがかった地元の50代男性が「ワンと鳴くカエルだろう」とひと言。女性も署員も驚きつつ、胸をなで下ろしたという。 現地のカエルを調査したことがある「いのちのたび博物館」(北九州市八幡東区)の両生爬虫(はちゅう)類担当学芸員江頭(えとう)幸士郎さん(34)によると、渓流などで見られる「タゴガエル」という種類で、体長3~4センチ。九州地方では2~4月に繁殖期を迎え、鳴き声はオスがメスを呼ぶ求愛行動とされる。
(浜口妙華)
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その正体は蛙だったのです。ま、声を聴いてください。
うん、たしかに犬のワン、と聞こえます。
まいごのまいごの 蛙ちゃんあなたのおうちは どこですかおうちをきいても わからないなまえをきいても わからないワンワンワンワンワンキャンキャンワンワンないてばかりいる 蛙ちゃん本物のおまわりさんこまってしまって …笑
警察出動、署員2名、場所は・・・?
福岡県豊前市大字挾間(ふくおかけんぶぜんしはさま)124
ワンと鳴く蛙は豊前市の千手観音の本堂裏
豊前市の広報には、こうあります。
豊前市は挾間地区の県道226号線のそばにある「千手観音」は、かの高僧・行基の作と言われる平安時代後期の秀作(高さ211cm)で、尊顔の美しさに定評があり、元国宝、現在も国指定の重要文化財となっている大変貴重なもの(通常は秘仏とされています)。その昔、この地にあった岩屋山泉水寺のご本尊だったと考えられています。また、本堂の裏手にある岩壁からこんこんと湧き出ている清水を持ち帰り、おかゆを炊いて食べるとお乳の出が良くなることから乳の観音とも呼ばれ、今も参拝者が後を絶たない。
写真:千手観音本堂。
写真:ワンワンと鳴く蛙のいた場所。↑
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お乳の出が良くなる霊験があり”乳観音”とも呼ばれていますが、近年は愛しい人と一緒に参拝し、同じ願いをするとその願いが叶うとも言われ、男女ペアの参拝も増えているとか・・ワンワンとなくのは求愛行動だそうだから・・♡。
まとめ
ワンとなく蛙、タゴガエルは全国各地にいるようです。求愛期の2~4月にかけてワンと鳴きます。
国土交通省北陸地方整備局 阿賀野川河川事務所 「きらり四季彩 阿賀野川」で解説してくれています。 ↓
(注:阿賀野川は、新潟・福島・群馬の3県にまたがり、広大な流域と長大な流路を持つ日本有数の大河です。)
タゴガエルは山地を代表するカエルですが、隠れているので一般的にはあまり知られていないようです。春先の林道脇の渓流や沢などで、耳をすましてさがしてみてください。斜面の横穴や石の下で鳴くため姿が見えなくても、鳴き声はちょっとおもしろい声で、わかりやすくよく聞こえます。
- からだの特徴
からだの大きさは30〜50mmで小型のカエルです。からだの色は黒褐色から茶褐色で前肢や後肢はやや太くて短く、ずんぐりし体形をしています。 - すみ場所
本州、四国、九州にすんでいます。山地から高山帯までの森林や高山、 草原などにすみます。 - 生活のようす
繁殖期は3〜7月で、産卵は渓流沿いの伏流水、沢の岩などの下で行われ、白い卵を30〜160個産みつけます。幼生(オタマジャクシ)は何も食べずに卵黄を栄養だけで育ち、幼体(子ガエル)になります。成体(カエル)は小さな虫やクモ類をとって食べます。
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