「おなら」が鳴らないと再手術も!ーおならは生きている証拠です!

手術後に「お鳴ら(おなら)」が果たす役割がわかりました!

今回は、おなら がメーンテーマです。

目を背けないでください。顔を顰めないでください。腸閉塞・イレウスの回復プロセスで「お鳴ら(おなら)」がいかに大切な生理作用であるかを思い知ったのです。

「ガス(おなら)出た?」

「出ましたか?」

「どう? ガス?」

「ガスはどうですか?」

「もう出ました? ガス、おなら?」

朝から夜の就寝時まで、訊かれつづけます。

回診の先生、看護師さん、リハビリの先生などなどに何度も何度も、三度三度、問われるのです。最初のうちは・・なんでそんなことを?・・とおもったくらいですが、やがて・・もしかしたらこれは重要なことではないか・・と感づきます。

おならが出ないと完全断食断水がつづくと教えられる

「ガスは?」「まだ、出ない?」

おならに話が行ってしまうのです。

「ガスが出ないと治療のステップ2にゆけない」・・ガスは腸の蠕動運動がはじまった証し・・だと教わります。

おならが出ないと完全絶食&断水がつづく!!

どうやらぼくの場合、腸の再活動がかなり遅れているらしい・・・。ま、幾本もの管、チューブからの栄養補給水分補給はおこなわれているわけですが、

ああ、・・・ぼくの命は おなら が握っている。頼むから出てほしい。月火水木・・・。

出よ プスっ・・・・ 以下は金曜日に小型帳面メモに記した実録です。「出よ プスっ」はこの日のタイトルです。

・・・・・・・

朝早く、(門)が少しムズムズ、あ、あ、出るかな?

しかし、気配はスーッと消えて出ず、ザンネン・・

30分後、来た来た、あ、あ、あ、出てくれぇ~、門から、、プスッと、一つ、小さく一つ出たんだ、これって、一つのプスっの真実だ。

さらに30分後 うとうと寝の最中に プップップッ と出た・・・と思って目が覚めたが、おならが出た夢をみたのであった。

そして1時間後 WC便器に座っておしっこ中に----いきなり プリ、プリ、プリ、プリ と門からプリっという発音といっしょに出た。5発だ。たしかにお鳴(な)らである。出た。

一発プリッで一拍置いて

プリッ、プリッと連続、一拍置いて

プリッ、プリッ である。

屁だ、おならだ。これがおならだ。夢ではない。

ガスが出たら絶食断食は終わると医師から伝えられていたんだ。生きているんだ、オレ、。

11時35分 テレビをボケーと視ていたら不意に一発、ボスッ と一発、出た。

午前中に7発の放屁を行ったぞ・・・いいじゃないか、いいじゃないか、生きているんだ。・・・でも、一般的体力はどんどん低下して、なーんか気力も充溢しないな。絶食断食5日目だものねえ。

12時46分 プスッと一発出た。絞り出すような一つ。

47分 プスプス 二発。

1時26分  プスッウ 一発。

53分  三発。

5時03分  ボワンボワン 二つ

以上、待ちに待った おなら レポートです。

普段、日常、わたしたちはおならを恥ずかしいものとしています。しかし、それは間違いです。おならは生きている証しにほかならないのです。おならは、鳴らす に丁寧語の お をつけたものですね。おならとひらがなで書くより お鳴ら と書く方がいかにも平安貴族らしくていいとおもいます。人前でお鳴らししても平気な世の中になってほしいなあ 笑

あ、補足・お鳴らしを我慢すると便秘になるそうです。女性に便秘が多いのはそのせいかもしれません。

あーよかったね、出て。
年配の看護師さんが声をかけてくました。

早く、これも外してもらわなくてはね。と、点滴スタンドにぶら下がっている輸液容器を見ながらおっしゃいます。

いえいえ、それは痛み止めです。ぼくは痛みにからきし弱くて。それを止められると痛くて痛くて寝れなくて、ナースコールを押してばっかりになります。

でもね、これ麻薬よ。ふつうは、これ、使わないのよ。

マヤク!

でもでも、

でも中毒になったり・・・はないか。ここ病院だもんね。末期がんの患者だって麻薬系のモルヒネ使うものね。・・・自分の発したことばにドキッとします。・・・もしかしてオレ、末期イレウス!?

その翌日、夜です。突然、少女っぽい看護師さんが現れ、「間もなく外科の先生方が来られます」と緊張気味におっしゃるのです。先生方ならもうご帰宅の頃ではないかと思える時間です。いったい、なにが、どうなっているのか? そこへ何やら物を引き摺る音がしてベッド周りのカーテンが開かれました。レントゲンを撮ります・・・。技師3人です。レントゲン機器と技師さんが去ってすぐに、外科先生5名が来られたのです。両腕を出してください。ぼくの左右に先生方が別れ同時に両腕から検査開始です。素早い動きに圧倒されていると、検査結果でどうするかを伝えます。付添の方は? あ、きょうは連絡つきません。事情は看護師さんに話してあります。あ、そうですか。ま、いいです。では後ほどね。

風雲急を告げる? 容態急変? 悪化?

しかしこのとき、ぼく自身は周囲の反応に反発を感じたくらい落ちついていました。なにも変化はない・・・そう確信していました。自分の体のことは自分が一番よくわかります。外科先生にも伝えました。不思議な感覚です。ぼくはダイジョブです!と。

ほぼ一時間後でした。

検査結果で判断しました。急な対応はいたしません。引き続き様子を診てゆきます。体温が急上昇していましたが、平熱に戻っています。

ぼくの体に何が起きたのかはわかりません。

もしかすると、おならが鳴って、オレ、生きていると感動したことが転機になり、ぼくの生命力、根源的なパワーが動き始めたのかもしれません。

つづく

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