七草粥の唐土の鳥は、姑獲鳥(こかくちょう)中国伝承上の妖怪

七草粥、食べました?

写真:七草粥。あ、肉団子はおかず・・。

七草粥は日本古来の「若菜摘み」が由来、起源

七草粥は唐(中国)文化が起源・・という間違った説が流布していますが、信じないでください。到来物をありがたがる媚びた発想は捨てましょう。

七草粥は日本古来の「若菜摘み」が起源、由来です。

注:若菜摘み

・・・以下、世界大百科事典(旧版)引用

[春の七草]
〈せり,なずな,ごぎょう,はこべら,ほとけのざ,すずな,すずしろ,これや七草〉とうたわれたように,これらを春の七草と称し,この,ごぎょうはハハコグサ,はこべらはハコベ,ほとけのざはタビラコ,すずなはカブ,すずしろは大根とされる。後世これらを七草粥にして正月7日に食べた。若菜は初春の若返りの植物であり,古くは正月初子(はつね)の〈子の日の御遊び〉に小松引きや若菜つみを行い,それらを羹(あつもの)にして食べたりしたが,のちに人日(じんじつ)(正月7日)に作られるようになった。

平安時代,正月初めの子の日に貴族たちが楽しんだ野遊び。小松の根引き(小松引き)や若菜摘みなどが行われたが,これらは年頭にあたって,松の寿を身につけたり,若菜の羮(あつもの)を食して邪気を払おうとしたものと思われる。現行の民俗のなかに,正月初山入りに雌雄の小松を引いてきて後に苗代の水口に立てたり,初山入りそのものをネノビ,ネノキムカエといったりする所のあるのは,わずかにこの影響が残っているものであろう。

・・・

百人一首にもあります。

光孝天皇 『古今集』春・21

君がため 春の野に出でて 若菜摘む
我が衣手に 雪は降りつつ

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「あなたにさしあげるために、春の野に出て若菜を摘んでいる私の袖には、雪が降り続いています」という意味。恋しい人への真心を歌っています。真っ白な雪と芽吹いたばかりの緑の対比が美しい歌です。ここでの「若菜」とは春の七草のこと。これを食すことで邪気を払うといわれていました。NHK 絵あわせ百人一首「君がため…」 | にほんごであそぼ | NHK for School

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光孝天皇(830~887)がまだ時康親王だった若い頃の作です。この時代(平安794年 – 1185年)には遣唐使も廃止されています。

早春にいち早く芽吹く七草は邪気を払うといわれ、これを食べ1年の無病息災を祈るようになったのです。 七草粥は、毎年1月7日(人日の節句)に春の七草を入れて食べるお粥のことです。 七草は早春にいち早く芽吹くことから、邪気を払うといわれました。【1月】「七草粥」ってなぜ食べるんですか? | ごはん彩々(全米販) (gohansaisai.com)

では、なぜ七草粥は唐文化が由来などという間違った説が流布したのでしょうか?

それは七草を調理するさいに囃(はや)すストストストン♬にあるようです。

地域性見られる七草の囃(はやし)-ストストストトン♬

三重県の歴史報誌がこのように解説しています。

七草をたたくときに、「唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に、なずな七草あわせてホトト」を7回繰り返し唱えたという。いわゆる七草の囃(はやし)である。意味は、害をもたらす鳥が唐土(中国)から渡ってくるので、その前に追い払い、五穀豊穣を祈るなどの説もある。
七草の囃子は三重県内広く見られるが、地域によってバラエティーに富んでいる。たとえば、阿山町槇山では「七草なぐさ、トートの鳥が、日本の土地へ渡らぬ先に、かけよとバタバタ」、伊勢市一宇田では「唐土の鶏と、日本の鶏と、渡らぬ先に、キヤキヤしてホトト、キヤキヤしてホトト」と囃したと記録されている。

https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/hakken/detail.asp?record=302#:~:text=%E4%B8%83%E8%8D%89%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AB,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%8C%E3%80%81%E5%AE%9A%E8%AA%AC%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82 歴史情報 地域性見られる七草の囃し

地域によってはストストストンとリズミカルにまな板を叩く

昔は中国からの渡り鳥が、疫病や害虫を運んでくると考えられていたそうです。 七草粥のわらべ歌には、中国の鳥 うぶめ を追い払うように厄病や邪気を退け、無病息災を願うといった意味合いが込められているのではないでしょうか

うぶめはどんな妖怪ですか?

中国の妖怪鳥は姑獲鳥(こかくちょう)

姑獲鳥(こかくちょう)は妖怪の一種であって、よく人間の生命を奪うとある。 夜間に飛行して幼児を害する怪鳥で、鳴く声は幼児のよう。 中国の荊州に多く棲息し、毛を着ると鳥に変身し、毛を脱ぐと女性の姿になるという。 他人の子供を奪って自分の子とする習性があり、子供や夜干しされた子供の着物を発見すると血で印をつける。

荊州(けいしゅう)は、中国の歴史的な州の一つ。現在の湖北省一帯

まとめ

邪気を払う「若菜摘み」に邪気の象徴のような中国の妖怪をつかってお囃子として使った。現存する鳥ではありませんが、なにやらいわくありげといえるようです。

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