ウクライナを軍事侵略で踏みにじるロシア・プーチンへの憎しみはロシア国内でもプーチン辞任を求めるデモとなって湧き上がりつつあります。しかし・・・現状はウクライナは、ロシア・プーチン政権による「武力という暴力、ジェノサイド(虐殺)」の地になっています。
平和のために核放棄し、結果、侵略されたウクライナ
ウクライナは中世の都市を彷彿とさせる観光地でした。名画「ひまわり」・「戦艦ポチョムキン」などの広大なひまわり畑で有名です。ひまわりはウクライナの国花です。
↑ 『ウクライナファンブック』(平野高志著)表紙です。
ウクライナの物価は、格安です。タクシーなら、近距離であれば100円〜200円。地下鉄はどこまで行っても20円ほどで、食事も80円ほどからだそうです。
いまとなっては詮無いことですが・・ウクライナは「平和」が欲しくて核兵器を放棄したのです。
核放棄から始まったウクライナ危機、力なき外交の現実
2/22(火)JBpress https://news.yahoo.co.jp/articles/40d7719ba2263d465936ccbafad1640458be854e1991年、ソ連邦は崩壊した。ソ連邦の一部であったウクライナは、独立を果たした。この時、ウクライナ領内には約1900発の核弾頭が取り残されていた。
ウクライナは独立国として、この核弾頭保持の意向を表明した。だが、ロシアはもちろんのこと、米国、英国が核拡散防止の観点からこれに強く反対した。
ウクライナに対し、核不拡散条約(NPT)への加盟と、核兵器の撤去が求められた。
その条件として、「領土保全、政治的独立」に対する安全保障を3か国(米、英、ロ)が提供することで合意された。
これが「ブタペスト覚書」(1994.12.5)である。
フランス、中国はこの趣旨に賛同し、別々の書面で同様にウクライナに安全保障を提供した。
国連の常任理事国がこぞってウクライナに対し、核兵器の撤去を条件に安全保障を約束したわけである。
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英・米・露・仏・中・・・国連常任理事国がこぞってウクライナに対し、核兵器の撤去を条件に安全保障を約束した・・・しかし、いざとなると、露中は結託し、英米仏もロシア非難という口は出すが、安全保障はやらない。応援軍は派遣しない。
『ウクライナファンブック』(平野高志著)が紹介したのどかな観光地ではなくなってしまいました。
https://twitter.com/lotzun_DeuPol/status/1496799567794380805
ウクライナファンブックが描くウクライナはもう戻ってこないのか
平野高志著「ウクライナファンブック」は、ウクライナをこのように紹介しています。
一人あたりGDPがブータンやイラク、フィリピンよりも低い一方、外国人旅行客数はチェコやベルギーを超えて世界26位の人気渡航先に!
カラフルに塗り替えられたソ連式アパートの壁画やSNSで話題になった「愛のトンネル」、宮崎駿監督『ナウシカ』と繋がりのある腐海、そして一面のひまわり畑など想像以上に明るく、綺羅びやかな国ウクライナ。
かねてから「欧州のパンかご」と呼ばれ、ボルシチ発祥の地であり、ウクライナ産ラーメンが登場するほど美酒美肴なグルメ大国。
子音・母音の連続を避ける音重視の響きが美しい言語。バンドゥーラやトレンビータで知られ、記録民謡数世界最大級の音楽大国。PayPalやWhatsAppの創始者を輩出するIT立国で、世界最大の輸送機ムリーヤを製造したアントノウ社の拠点。「自由の人」と呼ばれたコサックの末裔達はマイダン革命を成し遂げ、新大統領ゼレンシキーを選出後、いよいよ成長軌道に乗った!直行便がないのが最大の欠点の、VISAなしで行ける格安天国!
(「BOOK」データベース)
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写真:平野高志。
平野高志プロフィール・ウクライナ国営通信社日本語編集長
ウクルインフォルム通信(ウクライナ国営通信社)編集者
東京外国語大学ロシア・東欧課程卒。
2013年、リヴィウ国立大学(ウクライナ)修士課程修了(国際関係学)。
2014~18年、在ウクライナ日本国大使館専門調査員。
2018年より現職。著書に『ウクライナ・ファンブック』(パブリブ)
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以下、ウクルインフォルム通信に掲載の平野孝インタビューより引用です。
私が大使館で働き始めたのは、2014年1月です。それはマイダンの時だったので、退屈ではなかったですよ。その時、大使館は避難し、プレミアパレス・ホテルでの臨時勤務体制が始まっていました(編集注:在ウクライナ日本国大使館は当時、治安機関側とマイダン抗議者側が対峙する間に位置していた)。ヤヌコーヴィチが逃亡し、クリミアの占領が始まり、東京に情報を適宜伝えるために、私たちは朝から夜まで情報をフォローしていました。ところで当時、日本では、ウクライナの情報をロシアのメディアを通じて得るという、ある種の伝統がありました。当時も、ロシアから引用された情報が日本で多く流れていました。
私はウクライナ語で情報を得られたし、キーウにも多くの友人がおり、ソーシャル・メディアなどで情報を追うなど、多くの情報源を有していました。
マイダン発生の時点で既に、世界ではウクライナの出来事に関する見方をめぐり、ある種の分断が起きていました。私には、(マイダンは)誰かがあらかじめ計画して、裏から操っているという、ロシアのメディアが書くような状況ではないとの認識がありました。私は、オンライン上で人々が、身の守り方を教えあったり、募金の送り先を共有しあったり、どこに行くべきか、どう行動すべきかについてやりとりをしている姿を、自分たちで運動を組織している様子を見てきたからです。日本外務省は、大使館から多くの情報を得ていましたが、同時にそれとは異なる見方のロシア報道発の日本の情報も入っていました。
大使館には4年間勤務しました。その頃、ウクライナの情報政策省が、ウクライナ語と日本語の知識を持つ専門家を探していました。私は、自分の大使館との契約がいずれ終わることを知っていたので、手を挙げたのです。
日本の情報空間は、なかなか複雑です。ロシア発メディアもあるし、親露的専門家もいます。同時に、情報源を多様化すべきという点への理解もあります。また、ロシア政権がフェイクを作り出しているという理解も既に存在します。しかし、当時ウクライナ発の日本語による情報発信源はありませんでした。そのような状況だったからこそ、私がウクルインフォルムで働き始めるということは、理解を持って受け入れられたと思います。多くの人が、ウクライナのことを知りたがっていたのだと思います。それで私はここで、既に1年半働いています。そして、ここで最近ウクライナに関しての本を書き終えたのです。
https://www.ukrinform.jp/rubric-society/2868400-ping-ye-gao-zhiukurainafanbukku-zhe-zhe.html
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領土防衛部隊隊員に変装していたロシア工作員が摘発されたそう。ウクライナ国家警護隊ツイート。 https://t.co/6s9KIhcY6s
— Hirano Takashi / 平野高志 (@hiranotakasi) February 25, 2022
『ウクライナファンブック』の感想、ネタバレ・・・
『ウクライナファンクラブ』の読後感想、複数を紹介します。Amazon感想欄です。
写真が豊富!情報満載!ウクライナの情報誌は「地球の歩き方ロシア」の付録みたいだったけれど、この本のお陰でウクライナ観光ガイドが30年進化した!驚くことなかれ、この情報満載の本はたった一人の日本人によって書かれた物である。著者に最大限の賛辞を贈りたい。本当に感謝です。
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ウクライナに関する、歴史から最新情報まで分かりやすく書いた本である。自分の家族に買ってあげて、次回のウクライナへの旅行の時ガイドブックとして使える。
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単なるウクライナの旅行案内本は今まで沢山刊行されているが、歴史や文化まで含めて詳しく紹介するのはこの本が初めて。
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ウクライナは不憫な国だ。
独自の文化、歴史、言語を持ち、多くの優れた人材を生んだ誇り高き国でありながら、いまだに「ロシアの付録」のような見方をされがちな上、日本に入ってくるこの国の情報は残念ながらネガティブな内容のものが少なくない。そんな中、ウクライナ在住の日本人の手によって、これほどに濃い(しかも読みやすい)内容の「ウクライナ本」が生み出された事を大いに歓迎したい。私自身、2019年3月にこの国の首都キエフを訪れ、その素晴らしさに感銘を受けた一人であるので、本書における著者の「ウクライナへの思い」には共感出来る部分が多い。1冊ほぼカラーで写真も多く、眺めるだけでも楽しめるし、観光ガイド的な前半部分と「歴史」「宗教」「政治」「経済」等、比較的「硬派」な内容の後半部分とのバランスも中々良い。尚、本書ではキエフの事を「キーウ」と表記しているが、著者によればウクライナ語の表記・発音に合わせたとの事。主要都市を紹介した前半部分は情報量が豊かで、実際にこれらの都市を訪れる際のガイドブックとしても大いに役立つだろう。
後半部分は文字が主体で、かなり読みごたえがある。「クリミア史」が単独で10ページ以上に亘ってとり上げられているのは中々貴重。この国の歴史を読むと、ウクライナとロシア、ソ連の関係は非常に複雑かつ錯綜しており、今日まで続く両者の対立の根っこは相当に深いところにあると痛感する。尚、ウクライナの生んだ多くの偉大、多彩な人材に関しては、どこかでまとめてとりあげて欲しかったな・・と思う。文中でピアニストのホロヴィッツ、作家のゴーゴリ(ウクライナ語では「ホーホリ」になるそうだが)は登場するが、ヴァイオリニストのオイストラフや作家のブルガーコフなどの超大物がとり上げられていないのは残念。
本書を通してウクライナへの関心を高める人もきっといるだろう。キエフはぜひ訪れて頂きたい街だ。本書の記載の通り、スリや詐欺にさえ気を付ければ治安はそれほど悪くなく、物価は安く、食べ物も美味しい(キエフの駅前の屋台でおばちゃんが揚げていた「揚げパン」の美味しさは今でも忘れられない)。また、主要観光地は地下鉄で回れるのでとても便利。
この本をキッカケに、一人でも多くの方がウクライナに触れる機会を持つ事を熱望する。
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ウクライナ在住21歳です。
ウクライナのことがこんなに詳しく大量の写真付きで、日本語で書かれているというだけで貴重なのに、それが2020年発売という超最新情報!これにはウクライナ人の妻もビックリしていました。前半は観光情報、後半は言語、宗教、歴史など。飽きないし、めちゃくちゃ読みやすいです。
ウクライナビールのページは写真を撮って、スーパーでのビール選びの参考にしています。笑個人的に興味深かったのは「ウクライナ語とロシア語」の項。
よく言われる「実際ウクライナ語とロシア語は似ているのか?」という問いについての著者平野さんの意見や考察が面白いです。また、10年前にウクライナ国民に対して行われたアンケートの結果が載っているのですが、これも面白い。「自分の考える母語は何語か」「友達と何語で話すか」「数を数える時、何語で話すか」「最も上手に使えるのは何語か」等、またそれに対する平野さんの考察も、日本で生まれ日本語のみで育った僕としては非常に興味深く面白かったです。
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うつくしいひまわりの国、ウクライナ。
まとめ
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ウクライナ南部ヘルソン州ヘニチェスクで24日、武装したロシア兵の前に地元の女性が立ちはだかり、「あなた誰、何しに来たの」と詰問する様子が撮影された。
兵士は「話をしても無意味だ。事態をこれ以上悪くしたくない」と繰り返した。
女性はロシア兵に繰り返し、ヒマワリの「種をポケットに持っていってよ」と言う。兵士たちが死ねばそこからヒマワリが生えるからと。
ヒマワリはウクライナの国花ですが、ロシアの国花でもある。
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不肖わたし、日本にいる日本人です。なにかできることはないでしょうか?