最高の人生とは、なんなんでしょうか。人生に最高も最低もないといってしまえば暗く重くなりますが、この映画はそのような無粋なことはいいません。やりたいことをやって、泣けるくらい笑おうと余命6ヶ月の男二人が自家用ジェット機で世界旅行に出かけます。
最高の人生とは何でしょうか? さがす旅に出る男二人
映画『最高の人生の見つけ方』は2007年作品です。今(2020年6月)から13年前ですね。二人ともに1937年生まれジャック・ニコルソン(4月22日)、モーガン・フリーマン(6月1日)ですから、ともに現在は83歳です。アメリカ映画スターを代表するような名優の二人ですので映画のなかの役柄名よりも俳優名が頭からはなれないくらいです。
この映画の原題は「TheBucket List―棺桶リスト」。
棺桶に入るまでにやっておきたいことをリストアップします。ダイレクトなリアルなステキな原題だとはおもいますが、邦題の『最高の人生の見つけ方』というとらえようが抽象的な感覚のハウツウ的タイトルもほんわか心地よい印象ですね。
——————-
キャスト
ジャック・ニコルソン
モーガン・フリーマン
ショーン・ヘイズ
ロブ・モロー
ビヴァリー・トッド
スタッフ
監督
ロブ・ライナー
製作総指揮
トラビス・ノックス
ジャスティン・ザッカム
ジェフリー・スコット
製作
クレイグ・ゼイダン
ニール・メロン
ロブ・ライナー
アラン・グライスマン
脚本
ジャスティン・ザッカム
音楽
マーク・シェイマン
モーガン・フリーマン&ジャック・ニコルソン、名演がすばらしい。
モーガン・フリーマンが演じるのは自動車修理工「カーター」です。孫もいっしょに働いてい、「おじいちゃんの後をつぐんだ」といいます。実直を絵にかいたような、それなりの平和な家庭をきずきあげてきました。趣味はおどろきの記憶力を活かすクイズ解答です。
写真:モーガン・フリーマン「カーター」
ジャック・ニコルソンが演じるのは大富豪に成り上がった実業家「エドワード」です。16歳のときからお金儲けに集中してきました。沸き上がる感情をおさえることは苦手です。離婚結婚をくりかえし今は一人です。娘が一人いますが、疎遠になり、家庭的には孤独といえます。趣味は・・仕事・・です。
写真:ジャック・ニコルソン「エドワード」
実業家「エドワード」と自動車修理工「カーター」は性格でも生活環境でも一致するものはありませんが、ただ一つ、がん患者が共通点です。しかも二人ともに「余命6ヶ月」と宣告されました。入院先の病室がおなじだったことから異質な二人がしだいに互いに相手を認めあうようになります。
どうせ死ぬなら愉快に生きよう。やりたいことをやろう。
どうせ死ぬなら愉快に生きよう。やりたいことをやろう。エドワードがカーターを口説き経費は富豪エドワードもちで二人は旅に出ます。
スカイダイビングで空を舞う二人のシーンはさすが名優、モーガン・フリーマン&ジャック・ニコルソンです。「生きているぞぅうう!!」絶叫するニコルソン(エドワード)です。空中落下しつつ、恐ろしさに震えあがり大声でエドワードを、「クソ爺いい!!」と罵りまくるフリーマン(カーター)です。
カーターが乗りたいと憧れのクルマは「マスタングGT350」です。レーシング会場貸し切りで二人は「マスタングGT350」爆走レースをやります。冷静で温厚なカーターが子供のようにはしゃぎ、エドワードのマスタングに車体を激突させるレースぶりもおもしろい。痛快さが爆走です。おもいきし笑いながら爆走です。生き生き生きています。
ピラミッドも見た。北極へも行った。エベレストは麓までは行けた。最高級のレストランでキャビアも食べた。ホテルも最高にすてきです。しかし、
現実にもどったとたんケンカ別れする(カーター)&(エドワード)
カーターの妻が電話でエドワードに懸命に頼みます。「お願い、カーターを私に返して・・」と。・・・ジャック・ニコルソン(エドワード)の表情にふっと現実感がただようあたり、見事な演技力に圧倒されます。さすがです。二人は現実の社会、アメリカにもどります。もどったとたんジャック・ニコルソン(エドワード)がカーターに激怒します。カーターがエドワードの一人娘にエドワードを会わせようとしたからです。ニコルソンの激怒ぶりも迫力です。
ケンカ別れとなり、エドワードは仕事人間にもどり、カーターは妻、子供、孫に囲まれたあたたかい暮らしにもどりました。しかし、
現実は喜び色ばかりではなく冷酷な一面もみせます。
カーター(モーガン・フリーマン)が倒れます。仕事中のエドワードが連絡をうけはげしく動揺します。ケンカ別れを悔い、病院へ駆けつける。物識りカーターが、エドワードに、エドワードの大好きな高価な「コピ・ルアク」という希少なコーヒーがジャコウ猫のフンから取った種でできていることを教えてやる。クソッタレ笑;・・驚くエドワードに、カーターは大笑いしながら涙を流します。“人生に喜びを見出してくれ!親愛なる友よ!”という手紙を残し、カーターは手術室へ運ばれ、そのまま亡くなります。天国に召されます。
ジャック・ニコルソン(エドモンド)はモーガン・フリーマン(カーター)の意志をおもい、疎遠になっていた一人娘に会います。孫娘にも会えました。
まとめ
カーターの葬儀でエドモンドが述べる弔辞がこころに響きます。
彼の人生の最後の数ヶ月は私にとって最高の日々でした。彼は人生の恩人です。真の幸せに気づかせてくれた。心から誇りに思います、故人と最後の時間をともに過ごせたことを。我々は互いの人生に喜びをもたらしあったといってもいつわりにはならないでしょう。だから、いつの日か、このわたしが最後の眠りについて天国の扉の前で目を醒ました時、その証人としてカーターにいて欲しい。そして天国に案内して欲しい〝
このわたしが最後の眠りについたら、そのときは先人のあなたがわたしを天国に案内してほしい。
そういえる友を得た・・・最高の人生を得たのだとおもいます。
”人は生き人は死ぬ 世の中はその繰り返しだ”・・・エドワードのセリフです。
そんな永遠の反復のなかで僕もあなたも生きて、そしていつか目を閉じます。僕が先に逝けば、どれだけ遠い先になっても天国の扉の前で迎えてあなたをガイドしたいとおもいます。
真の幸せは眠りについた後からやってくるといえるかもしれません。
だからそれまでは、人生に喜びを見出して生き生き、生きてくださいね。
“人生に喜びを見出してくれ!親愛なる友よ!”