小学生の詩にまいりました、文章道場。おにぎりの詩です。

おにぎり はいできあがり ああ、ぼくにちょうだいと割り込みたい・・小学生の詩

おにぎりさんかく

おにぎりさんかく

あとはのりを

まけば

はいできあがり

おいしいおいしい

おにぎりのできあがり

—–

この真っ直ぐなことば・・・! はいできあがり ああ、ぼくにちょうだいと言いたくなります。

おいしいおいしい

おにぎりのできあがり

母の笑顔と子の笑顔が重なって舞い舞いする風景が見えてきます。

小学3年生、9歳です。
小学生の詩コンテスト最優秀作ですか?

いいえ、違います。社会的評価、大人の価値観とは関係のない詩です。

一見して、びっくりしました。

シンプルです。よけいな思いやよけいな計算などはまったくっていいほどに感じません。ああ、こんなことばをぼくも、書きたいと思います。

淡々として具体的に状況を伝えていますね。

おにぎりさんかく おにぎりさんかく・・・目に見えてきます。さんかくおにぎり ではなく 「おにぎりさんかく」だから伝わるおにぎりの温かみ。うまい! ま、天才的うまさですね。おにぎりの「うまさ」が直感的につたわるうまさ^^)です。ここで使いまいした「天才」は社会的認知などとは無縁です。

よく言うじゃないですか、おお! 天才じゃんかあ! ・・・あのテンサイ! つまり自分にはとてもできないことを見せられた驚き(木)桃の木です。驚き桃の木山椒の木。ダジャレはともかく、たしかにびっくりしました。

注:詩など作品は読者の自由解釈です。この「おにぎりさんかく」の現実はぼくの解釈とはまったく違うかもしれません。

母と子のワンシーンが見えるような詩

ふつうは、三角おにぎりを見て表現しようとすると、「さんかくおにぎり」となります。しかしこの詩が さんかくおにぎり さんかくおにぎり から始まっては、このようなリズミカルな突き抜けた和やかな母と子のワンシーンが見えるような詩にはなりません。

また、おにぎり おにぎり で始まっても・・・それはありとしても、さんかくと続くからこそ母につくってもらっているよろこびが伝わってきます。三角おにぎりは幼い子には作れません。不器用なぼく、大人でも、三角は作り難いです。

詩人・山下佳恵さんの詩集『あなたへ』にこんなステキな詩があります。

さんかくおにぎり

さんかくおにぎり

手で

お山をつくって

にぎって角をつくっていく

角がなかなかできなくて

まるいおにぎりばかり

力が強すぎたら かたく

弱すぎたら ボロボロ崩れる

さんかくおにぎり

塩かげんと

力かげんの ハーモニー

・・・・

塩かげんと

力かげんの ハーモニー

いいですね。

神道、仏教などの信仰詩人、『念ずれば花ひらく』の坂村真民さんにこんな詩があります。

おむすび

たきたてのごはんの

おむすびのうまさ

ひとつぶひとつぶが

ひかりかがやいて

こころやさしいひとの

りょうてで

かたくもなく

やわらかくもなく

うっすらしおけをふくんで

にぎられた

おむすびの

おいしさ

むすびあうという

そのことばのよさ

・・・・・・・・

むすびあうという

そのことばのよさ

ここは大人の感覚です。比べれば おにぎりさんかく は子供、かもしれませんが作品のレベルでは遜色ありません。最後にもう一度、おいしいおいしい を、どうぞ。

おにぎりさんかく

おにぎりさんかく

あとはのりを

まけば

はいできあがり

おいしいおいしい

おにぎりのできあがり


まとめ 一本とられた、取り返したい!

このブログ、「文章道場」が小学生に一本取られました。まいりました。道場破りにやられたのです。捲土重来、一本取り返したい!

あすから早起きして、ランニングを含めた早朝練習を始めようとおもいます。「誰でも出来ることを、人一倍やってきた」(イチロー選手)者だけがつかめる上達(文章)という先々の光を得ることがかなうのです、よね。 え? 文章、詩・・・早起きと関係あるの? と思われるかもしれませんが、これがあるといえばあるのです。前述、ビッグ詩人・坂村真民さんは夜明け前に起床し、冬でも水浴びまでされるのです。・・冬は・・水はカンニンしてください、夏ならできますけれど・・・。^^)身がひきしまると文章も、、、となるかどうか?

ところで余談です。

まどみちお しまうまの詩が好きです

ネットで盛り上がった、「小学生がこんな詩をかけるなんて!」「すごい!」の称賛の嵐 これ うそ! 消せない失敗??

いけませんねえ。まど・みちおさんを、まんま、ですものね。字は子供ですが・・大人が書かせてネットで騒がせおもしろがっていたのでしょうか。

まどみちおさんのこの詩のクライマックは最後の二行です。

まど・みちお   消しゴム – こころで道はひらくもの

———

自分が 書きちがえたのでもないがいそいそと けす

自分が書いた ウソでもないがいそいそと けす

自分がよごした よごれでもないがいそいそと けす

そして けすたびにけっきょく

自分がちびていってきえて なくなってしまう

いそいそと いそいそと 正しいと 思ったことだけを

ほんとうと 思ったことだけを美しいと 思ったことだけを

自分のかわりのように のこしておいて

誰だって失敗したり、うっかりしたりする。

そんな人の失敗を、そっと消せる人になりたいな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

誰だって失敗したり、うっかりしたりする。

そんな人の失敗を、そっと消せる人になりたいな

最後の二行、しびれます。かくありたいものです。かく書きたいものです。わたくし、ぼくが好きなまどみちおの詩は・・・・しまうま。12文字の詩です。

シマウマ

手製の
おりに
はいっている

ZEBRA
in a cage
Of his
Own making
美智子皇后 英訳

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