ロシアがソフトバンク本部長荒木豊容疑者をスパイした理由は5G

いま世界は「5G」を巡る戦いのまっ最中です

最初にお伝えしておきます。

こっち ↓ です。

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『週刊新潮』2020年2月20日号、142P櫻井よしこ連載コラム欄の「米中5G戦争、日本は米国と戦え」

『週刊大衆』2020年2月24日号、182P元外務省主任分析官・佐藤優連載コラム“日露の応酬”「ロシア通商代表部がソフトバンク社員を籠絡」を読むと・・・

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ロシアの通商代表部が国家戦略としてソフトバンク統括本部長・荒木豊容疑者(48歳)を狙った背景が仄見(ほのみ)えてきます。

ロシアスパイが

ソフトバンクから機密を盗んだ理由は「5G」です。

お二人のコラム概略は後述します。

テレビや週刊誌は芸能人不倫騒動で忙しいようです。

ロシア情勢に詳しい専門家を招いて取り上げたテレビもありましたが、誰もがスパイ事件としては評価は低いと断じていました。

専門家の皆さんの気持ちはわかります。スパイ事件で下手な言説を述べると相手国にいる日本人が危険ですからね。

いま世界は、、、第5世代移動通信システム「5G」、、、を巡る熾烈な戦いの真っ最中であります。アメリカと中国が先行二大国です。中国が先んじて、アメリカが巻き返しを図ろうとしています。ロシアは出遅れています。あぁ、日本ですか? あぁ、蚊帳の外ですね。

米中経済戦争は「5G」を巡る覇権争いだと櫻井よしこさんは指摘しておられます。

ソフトバンクは中国寄りと言われています。(あぁ、私見ですが、これは思想的なものではなく、事業的判断だと思います。アメリカが先行すればアメリカ寄りに・・。)コロナウイルス汚染中心地の武漢にもソフトバンクの工場があります。

スパイ事件そのものは日本政府もあつかいに苦慮しています。

ロシアは、とっくに日本の動きを知って、

対抗策で事前に昨年末、共同通信記者をスパイ容疑で拘束していました。

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ソフトバンクの機密情報、ロシアに譲渡か 元社員逮捕

2020/1/25 日本経済新聞

警視庁公安部は25日、勤務先だった通信大手、ソフトバンクの機密情報を不正に取得したとして、同社元社員、荒木豊容疑者(48)=千葉県浦安市=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで逮捕した。同部は荒木容疑者が取得した機密情報を在日ロシア通商代表部の職員らに渡したとみており、調べを進めている。

逮捕容疑は2019年2月18日、自身が勤務していたソフトバンクのサーバーにアクセスし、同社の営業秘密である機密情報など計2点を複製し不正に取得した疑い。

公安部によると、荒木容疑者はロシア通商代表部の現職職員の男に唆されて、取得した情報を渡した疑いがあるという。警視庁は25日、外務省などを通じ、既に帰国した元職員の男を含めた2人を出頭させるようロシア側に要請した。

荒木容疑者は19年末に同社を退職しているという。逮捕容疑について認めており、職員への情報提供についても「現金を複数回もらったことがある」などと話しているという。

ソフトバンクは25日、「多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」とするコメントを発表した。同社は、無断に社外に持ち出されたのが作業文書などで、顧客の個人情報といった機密性の高い情報は含まれていなかったとしている。

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ロシアの国家的対応策は、

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ロシア、共同通信記者を一時拘束…「スパイ容疑」

2020/01/29 読売新聞

【モスクワ=田村雄】タス通信によると、ロシア外務省は27日、ロシアの軍事機密情報を入手しようとしたとして昨年12月、極東ウラジオストクで日本人1人を一時拘束していたことを明らかにした。共同通信社によると、拘束されたのは共同通信社の男性記者で、12月26日にロシアを出国した。

露外務省によると、記者は昨年12月25日、露極東でのロシア軍の動向に関する機密情報を得ようとした「スパイ容疑」で拘束され、国外退去を求められた。共同通信社編集局は「取材内容に関わるため拘束理由は明かせないが、通常の取材活動だったと考えている」としている。

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ソフトバンクで大騒ぎするなら、こっちも打つ手はある!

事前の駆け引きですね。

ロシアのスパイが旅立つのを警視庁公安が成田で見送る

荒木豊容疑者逮捕の報道が1月25日、共同通信記者拘束は昨年末なのに、ニュース配信が1月29日でした。虚々実々の裏交渉、取引がなかったといえば嘘ですよ。共同通信記者はロシア国外追放で12月末に帰国していますが、これを共同は報道しなかった。

荒木逮捕が25日で27日には送検です。早いです。小者扱いです。さらに2月10日に追送検というヘンなことをやっています。その同日10日に・・・在日ロシア通商代表部職員で外交官の50代の男が、ロシアに向けて成田空港から同日出国したことが捜査関係者への取材で分かった・・・(日本経済新聞2020/2/10)

わかります?
ロシアのスパイ容疑者が旅立つのを警視庁公安が成田で見送っているのです!

そいう視点で逮捕ニュースの第一報を見てください。

事件のニュース速報は警察広報発表に素直にしたがって書かれます。速報です。あれこれ詮索している時間はないからです。発表まんまです。

荒木豊容疑者の肩書が「元社員」です。

動機が「お金」「お小遣い」。

新聞社によっては「お小遣いがほしかった」です。

肩書が「統括本部長」と「社員」では印象が大きく変わります。話を大げさにはしない。「お小遣いがほしかった」・・・

ソフトバンク平均給与は業界ナンバーワンで部長職の年収は1700万円以上の高給

ご承知かもしれませんがソフトバンク全社員17,115人の平均給与は通信業界平均596万円の2倍、1158万円(2018年度)です。荒木豊容疑者(48歳)は部長職ですから年収は1700万円を超えると推測されます。・・・お小遣いが欲しい 苦笑

つまり、「元社員」の「お小遣い」目的での事件という形に矮小化できたのです。

『週刊大衆』2月4日号の佐藤優(元外務省主任分析官)さんはコラムで、ロシア側は共同通信記者のスパイ容疑拘束、追放を公表しなかったが警視庁が荒木容疑者逮捕を発表したので対抗措置を取ったのだと思うと述べ、

「これは日本政府へのシグナルだ」

と分析しています。

荒木容疑者逮捕で国をあげて大げさに騒ぎたてるのなら、こちらも日本人スパイ事件をいくらでも作りだすことができるということだ。・・・と。

インテリジェンスビューロー(政府の情報・諜報機関)の世界は「やられたら、やり返す」のが鉄則・・・と。ロシアには日本との関係の発展を望まない勢力があり、その勢力にとってソフトバンク事件は利用価値の高い事件であると述べています。

う~ん、

魑魅魍魎跋扈(ちみもうりょうばっこ)の世界です。

しかし、事件を事件としてあつかうだけでは背景が見えてきません。

新聞テレビ週刊誌がほぼ沈黙するなか、週刊朝日がチラリと触れています。

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ロシアスパイがソフトバンク社員から機密を盗んだ理由〈週刊朝日〉

1/26(日) 配信

警察庁関係者は通信会社員が標的にされた理由を次のように分析する。

「覇権を制したいロシアのプーチン政権でも日本の5G、AIなどに関心があり、日本の通信分野のトップ企業に食い込みたかったのだろう。」

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タイトルは堂々、胸張って25文字もおつかいですが、理由はという本文では「5G」の2文字だけで追跡取材の形跡はありません、残念。え、ま、2文字でも触れたのはえらい! と思います。拍手です。しかし「部長」ではなく「ソフトバンク社員」となっています。

第一報の記者発表の成果(前述)が現れています。

この事件の本質「5G」については、

ぼくは、な~んも知りません。そもそもWebは超苦手の超初心者です。

わかっているのは現在が「4G」で「5G」になると最大で100倍のスピードアップになるらしい!

この5Gをリードする国が世界をリードできる

この5Gをリードする国が世界をリードできる、らしい!

4Gの通信速度は100Mbps~1Gbps、5Gでは最大100Gbpsとなり「100倍以上」早くなる——意味が??

bps??(  bpsの用語解説 – 1秒間に転送可能なデータの量—コトバンク)

モノワイヤレス株式会社HPの解説では、IoT(アイ オ ティ)時代がやってくる。

・・・IoT(アイオーテイ):Internet of Things(モノのインターネット)により、センサーと通信機能を持ったモノ達、例えば、

ドアが「今、開いているよ。」、工場内の機械が「調子が悪いよ。」、植物が「水が欲しいよ。」、猫の首輪が「今トイレにいるよ。」等とつぶやき始めるのです。そして、これらのつぶやきをインターネットを介して離れた場所で聞くことができるようになります。・・・

この「5G」への世界の動きは櫻井よしこさんの週刊新潮コラムに詳細があります。

・5Gを基盤とするインターネットワーク構築されれば、それは世界機能の中枢を担う技術となる。全ての産業が次世代産業基盤としての5Gネットワーク機構に依存せざるを得ないだろう。

・米国は中国に、この分野で史上初の遅れをとっている。米国の強い危機感を反映しているのが現在進行中の米中貿易戦争だ。中国に押し潰されないように猛然と反撃を開始した。

・中国が5Gの基地局を10万箇所に建設済みなのに、米国は7万から8万箇所にとどまっている。

・「中国は国運を賭けて米国抜きの5G技術のインフラを世界に建設しようとして必要な半導体全ての自力生産を目指しています。それを日本企業が助けている。

今回帰国した(注:武漢から)数百人のうち約半分が半導体関連の技術者であったことが、そのことを示しています。これで日米関係は大丈夫なのかと真剣に憂いています」(中部大学細川昌彦特任教授)

・中国の5G技術でインフラを整備する全ての国や企業に基地局建設から、あらゆるインフラの整備、技術の習得まで、受け入れ側の資金負担なしで、中国が世話をする資金準備をした。資金だけでない。5万人に上る技術者も中国政府の費用で世界中どこへでも派遣できる体制を整えた。

・・・・!!!

お小遣い欲しいソフトバンク“社員”にロシアがちょっかいを出したレベルではないのがよくわかります。アメリカにつくのか、中国につくのか、ロシアは第三の位置をめざしているのか、、、。

まとめ  日本は中国につくのか?

日本はどうするのか??? これを企業(ソフトバンク)の事業的思惑だけにまかせたままではよくないのではないか・・・と、ぼくは、思います。 あぁ、このような大きな問題にどうこう言ってもぼくやあなたの力では意味がない、・・・とは思いませんので、縷縷(るる、こまごま)このような記事を綴ってみました。

日米安保がありながら、日本は中国につきたいのか?

小さな声に耳を傾ける人が^^増えてくれば、やがてそれが天の声に^^なって、せめてスパイ防止法の成立になるかもしれませんね。荒木容疑者の逮捕が「不正競争防止法」という商業上の犯罪になっているのも日本にはスパイ罪がないからです。

ロシアのスパイがゆうゆうと成田空港で旅立つのを刑事たちが見送るのも、大使館の書記官や駐在武官、つまり外交特権保持者の逮捕はできない。出頭を求めても無視される。日本にはスパイ罪がないからだと警察官らの悔しがる気持ちをちょっとだけでもわかってあげてくださいね、お願いです。

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