『トレイルランニングはじめました-中村則彦著』感想。登山にも役立つ?

登山中、次々追い抜くトレールランナーがニコニコ笑顔は腹が立つ!?

写真は『トレールランニングはじめました。』12~13ページ掲載 皆さんニコニコお笑いですね。

山岳部出身のこのアタクシがあえぎあえぎ登山中にランナーが次々追い抜いてゆきます。しかも皆さん、ニコニコ笑っています。なぜか?

『トレイルランニングはじめました。』を読んだ理由?

トレイルランナーの強い脚力の秘密を探りたかったからです。彼らの元気のおこぼれでもいいからいただけないかと考えたのです。

そもそもトレールランニングとは何?

トレールとは何? ふーん、トレールは舗装道路ではない道のことかぁ。

環境省のページには、トレールは・・・森林や原野、里山などにある「歩くための道」のこと。こうした道を、歩くはやさで旅するのがトレイルです。・・・と記してある。

なるほど。

トレッキングはトレールを歩くんだな。ぼくの道楽の一つ、山歩きもトレッキングといえるわけですね。

ボクの登山は道のない山にも入りますが・・・。

趣味は・・・トレッキングです。??。ああ、違います。違和感あります。「トレッキング」は大きな自然を旅するという意味ありげな思想的な背景がありそうですが、ぼくの「山歩き」は無目的にフラフラ山中を彷徨(さまよ)います。道のない山にも入ります。

あ、いきなり話、脱線です、話元へ。トレールです。

そうか、元々は歩く道なんだ。その道を走る、ランニングするから、トレールランニングということですね。

ランニング苦手のぼくがこの長いタイトルの本『トレイルランニングはじめました。』(中村則彦著)をわざわざ手にしたのは、登山中、たとえばビューティフルリッジ大倉尾根(通称バカ尾根)などで息もたえだえのぼくを笑顔集団のランナーが追い抜いてゆくのを度々見ているからです。 

あいつら、いえ、あの人たちは、どうしてあんなに元気なのかと気になっていたのです。何か特別な元気もりもりになる秘策とか秘薬でもあるのか。登山標準タイムの三分の一で頂上へ着いても倒れ込むわけでもなく、ニコニコ笑っているのはなぜか。

その秘密の一端でものぞけるかもしれないと思ったのです。先ずは本をごらんください。読む前に見る、パラパラ眺めます。イラストからして人物の皆皆さま笑っています。

・基礎から楽しみ方
・きっかけはメタボだった
・で、40歳にしてトレラン開始 ♬ これがとっても気持ちいい!
・がんばれ俺! がんばれ、みんな!!
・意思があれば夢はかなう

登山の書籍ではこうはいきません。登山は元々は命を失う危険な行為というのが前提になっていますから、あれこれ説教臭い注意書きがつきまといます。そういえばトレールランナーが遭難して亡くなるという話はあまり聞きませんね。登山はしょっちゅです。

登山は危険や困難を求めて山に入ります。ときには20kg、30kg、それ以上の荷物を背負って登ります。トレールランナーは心地よさを求めてトレイル(山道)を走ります。背中のリュクは小さくペタンコです。根本的に違いますね。

いやいや違いを探すために『トレールランニングをはじめました。』(中村則彦著)を手にしたのではありません。トレールランナーに学ぶためです。彼らの元気を頂戴(ちょうだい)する方法があるのか、ないのか。

運動歴ゼロのサラリーマンが欧州アルプスで166キロ完走達成は凄い!

著者の中村則彦さんは40歳でトレランを始めました。京都大学卒のサラリーマンです。運動経歴ゼロ、身長166㌢で体重70キロ、体脂肪率30%をこえ、高脂血症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群などを抱え、これでは早晩、命の炎が消える・・・とウォーキングから入りランニングを開始したのです。

命の炎がかかっています。

7ヶ月で20kgの減量に成功します。

しかし、リバンウンドがいやで、山を走る「トレールランニングをはじめました。」

・風景の圧倒的な美しさ! ひたすら感動。
・走った後の温泉&飲み会サイコーの贅沢!
・四季の変化が心地いい。
・ゴールが見えたときの歓び!
・ゴールしたときの満足感!!

トレランにのめりこみます。10キロメートルランニングの目標から始めて・・・ハセツネカップに、また富士登山競走にもチャレンジします。

ええぇ!!! 驚きです。ハセツネカップは、総距離71kmのトレイルランニング山岳耐レースです。累積標高差4582mもあります。

!!! どうしてそんなことが・・・できるようになったのか。

富士登山競走は、標高770mの富士吉田市役所前がスタートで北口本宮冨士浅間神社から吉田口登山道を通り、標高3,711mの富士山頂久須志神社山頂までを走り上がります。距離21km、高低差は約3,000mですよ。

さらにさらに、びっくりです。

欧州アルプス、フランスのシャモニー・モンブランで毎年8月に行われるUTMB(L’Ultra-trail du Mont-Blanc=リュルトラ・トラーユ・デュ・モン・ブラン)に出場し完走!! 総距離100マイル(166キロ)です。アルプスの峰々を越えて二日間ほとんど不眠不休で駆け抜けるのですよ~!!

??? なぜだ、なぜだ、運動歴ゼロの京大卒のインテリ大企業サラリーマンが大変身したのは、なぜだなぜだ??? 奇跡的ですよ。

 びっくり。トレランのトレーニングって激しいのだ

同書『トレールランニングはじめました。』にはその大変身の経緯が詳しく書かれていると思ったのですが、・・・まとめての章立てはありません。技術書ではなく、いかにトレランが楽しいかを書いたエッセイ風の本ですからね。

しかし、ページのあちらこちらににはトレーニング風景が書かれています。94ページから99ページまでには「コンバイントレーニング」として著述されています。

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・トレッドミル
ランニングマシンのトレッドミルで最大傾斜15%にして最低1時間こなす。

・LSD
ゆっくり長い時間をかけて長距離を走る。ロードを20キロくらい、3時間ほどかけて走る。週に一度。

・快調走
フルマラソンのペースで走る。距離は10~20キロ。平日は通勤ランでこなす。

・インターバルトレーニング
トラックで400メートル激走を10本ほどやる。強度が高いので週1回にとどめる。やりすぎるとオーバートレーニングになる。

・ジョギング
レース翌日や疲労を抜きたいときに5~10キロを軽く走る。

・トレイルランニング
二日間の場合は、一日目に50キロを高い負荷をかける走り方をし、2日目はゆっくりと長い距離を走る。

・水泳
泳ぐ距離は適当。だいたい1000メートルくらい。ハードな練習をした翌日などに疲労を抜くために。

・体幹トレーニング
筋トレをほぼ毎日

・自転車トレーニング
アップダウンの多い場所で1~2時間ペダルを漕ぐ。登りの筋肉を鍛えるのに有効。

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うわああ~、イメージしながら書き写していると、それだけで疲れます。すごいですね。そうかぁ、トレイルランナーは真面目にトレーニングを積み重ねているのです。

まとめ

激坂ダッシュというトレーニングもあるそうですね。

急登の坂道をダッシュで駆け上がるのを連続10本! チンタラ走るとこの本の監修者鏑木毅(かぶらぎつよし)さんから「人を意識して! 前の人を意識して!」と激が飛びます。前の人にくらいつけ!・・・足がジーンとなるようなトレーンングをしなさい(83ページ)

すごいです。あなた、真似できますか?!

じっと我が身を振り返り、じっと我が弱々しい脚をさすって、省みる。トレイルランナーの皆さんのニコニコ笑顔を支えているのは練習、トレーニングだったのだ。当たり前と言ってしまえば当たり前ですね。

こっちはランナーではないけれど山が舞台なのはおなじですから、数分の1でもいいからトレーニングを・・・青春時代♬ に戻ったつもりで、やってみるか!!!青春時代が夢なんて あとからほのぼの思うもの

青春時代のまん中は 道にまよっているばかり  (笑わない。)

『トレイルランニングをはじめまして。』を読了して、青い春の時代をおもいだし、元気の素(もと)をいただいた気分になりました。きょうから気分は19歳です。

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