塔ノ岳大倉尾根はふり返れば大海あおげば富士山が見える
↑ 写真は塔ノ岳山頂からの夕日
ビューティフルですね。ビューティフル・・・美しい、 すばらしい、素敵、 見事、 麗しい。
—————————————————–
塔ノ岳大倉尾根山頂で泣きました!?
え? どうした? あんな見晴らしのよい頂上公園みたいなところで、
何があったのか?
あ、それは、・・・
ま、泣いた話はともかく、神奈川県は丹沢の塔ノ岳大倉尾根は通称”バカ尾根”と呼ばれています。登山家の為のアクセスガイド には、「大倉の尾根は通称「バカ尾根」と呼ばれていて地味な上り坂がひたすら続くのでこちらからの登山はオススメできません」とあります。
それは、言い過ぎです。というか、間違いです。大倉尾根は変化に富んだ眺望抜群のビューティフルリッジです。
この大倉尾根に毎週通う方々もいます。山を走るトレールランナーだと薄暗い未明や登山者がほぼ下山後の夕刻に何回登ったり下りたりできるかにチャレンジする人も。達者で元気な人ばかりではありません。足腰ままならないお年寄りが連続する急階段を登っておられたりもします。大倉尾根制覇2000回達成の75歳女性もいます。
どうして「おススメしない」などと発信するのか。
塔ノ岳大倉尾根、通称”バカ尾根”の由来は?
大倉尾根をなぜバカ尾根と呼ぶのか・・・バカ尾根の名称由来は、
①・変化に乏しく単調な登り下りを強いられる尾根道
②・面白みがなくただ長いだけの尾根道
③・バカにだらだら登りの続く尾根
④・単調でキツい一本調子の登り尾根
⑤・石ころが多く急階段が長く続く尾根
⑥・歩き難くて疲れる尾根
などなど不平不満たらたらの由来となるようです。①②はweblio辞書山岳用語辞典に載っていました。そんなに嫌なら行くなよな、来るなよな、と思うのですが、このバカ尾根は超人気ルートです。週末で好天なら行列ができます。なぜでしょうか?
学生時代に聞かされた由来は「尾根がバカなのではない、バカなのは人間のほうだ」
バカな人間どもが自分の虚弱さを覆い隠すために①~⑥の御託を並べ立てている。出発点のバス停大倉の標高が298㍍で、塔ノ岳山頂は1491㍍、標高差約1200メートルを一気に登り下りします。たしかに、きついです。
しかし①~⑥のつらさを制覇、克服できる楽しみが大倉尾根、通称バカ尾根の最大の長所、いいところです。
全長約7kmですからピストン(山頂折り返し往復)で14kmもあります。
・・・低山とはいえ馬鹿には出来ないかなりきつい長い登りが続くことから「バカ尾根」という別称もある『ウィキペディア(Wikipedia)』・・・
バカは長くつらい登りへの強調語であり、人々をバカとからかっているのではないというのが辞書的説明ですが、バカ尾根を登る人はバカばっかり・・・のほうが面白いし、的を射た答えです。
あ、念の為。『ウィキペディア(Wikipedia)』が山頂まで標高差1200メートルの塔ノ岳を”低山”とくくるのは間違っていますよ。低山の概念はあるようでないのですが、一般的な感覚では標高5~600メートルの山々です。
『日本百低山』(日本山岳ガイド協会編・幻冬舎)は、・・標高1000メートル内外の「名低山」を100座紹介する・・」。『日本百低山―標高1500メートル以下の名山100プラス1』」(文春文庫)では標高1500メートル以下などと、出版社の営業政策との兼ね合いもあって、それぞれ勝手に決めています。
そもそも、このバカ尾根は頂上に昔、祭られていた「尊仏さん岩」信仰のための参道です。山頂のヒュッテ(山小屋)「尊物山荘」の名称もここからです。
バス停から一時間ほどの雑事場の杉並木をじっくりご覧ください。いかにも参道っぽい雰囲気です。
この雑事場からが大倉尾根の名物、急階段が出てきます。急階段をどう攻めるか・・・。